地域サステナ

2015年度サマーコース

実施概要

実施日

2015年8月18日~25日

ボゴール農科大学コース参加者

ボゴール農科大学(大学院生約27名、教職員多数)
茨城大学(大学院生5名、教職員3名)
琉球大学(大学院生2名、教員1名)
東京農工大学(学部生2名)
愛媛大学(現地留学中の大学院生1名)

ウダヤナ大学コース参加者

ウダヤナ大学(大学院生4名、教職員多数)
茨城大学(大学院生6名、教員4名)

ボゴール農科大学

ボゴール市内にある文化・農業体験施設(Kampung Wisata Cinangneng)にて伝統楽器,お菓子作り,田植えを体験したり,革製品,伝統織物,クラフト生産の見学。

Oil Palm Plantation and mill Cikasungka・PTPN 8のジェネラルマネージャーによる,アブラヤシ栽培,油脂生産,企業概要の説明の後,ヤシの収穫や油脂の製造過程を見学。

ボゴール郡内にある乳牛・肉牛を扱う牧場と,牛乳の加工工場(Dairy Farm Industry Tapos)を見学。夜は,宿泊先にて文化交流祭を開催し,IPB側は民族舞踊を,日本側はラジオ体操などの紹介を行った。

IPBおよび茨大教員による講義ののち,フィールドワークを基にエコロジー・エコノミー・ソーシャルの観点からサステイナビリティに関する課題と解決方法などを提言するグループディスカッションを実施。

IPB講義棟で学生セミナーを開催。会場の外では,各自の研究紹介ポスターを掲示した。

IPB講義棟にてレクチャーおよびグループディスカッション。グループディスカッションでは,最終プレゼンに向けてグループごとに議論のまとめが行われた。

グループごとに,見学やディスカッションを通じて得たデータやまとめた議論の結果を30分ずつ発表した。

ウダヤナ大学

開会式,バリポストの取材も入り,バリ随一の国立大学と日本の大学との関係に大きな期待が寄せられた。

自己紹介のあとはさっそく研究発表。異なる分野の発表でも多くの質問や意見が出ました。

ダブルディグリー・プログラムで一年間滞在していた学生の送別も込めて,簡単なウェルカムパーティーを開催して頂きました。

教員による講義。茨大とウダヤナ大学の教員から気候変動や有機農業,そして植物病理学や微生物学分野の話題が提供されました。

有機農業を実践しているBuanggaスバックを訪問。牛糞堆肥の製造施設を見学し,マネジメント方法や政府からの補助について学びました。

有機栽培の水田と慣行栽培の水田とで土壌サンプルを採取し,理化学性を比較して作物生産の持続可能性について議論しました。

スバックの代表者と懇談し,バリ農業が抱える課題や現在の取り組みについて聞き取り調査をおこないました。

有機栽培により高付加価値を目指した野菜栽培を行っている農家で聞き取り調査および土壌サンプリング。ただし,バリの住民は野菜を購入する際に「有機農業か否か」はあまり気にしないとのこと。

ウダヤナ大学の協力により1990年代から有機農業を実践している先駆けの農家。産学連携は万国共通です。

穏やかなバリの学生とともに作業を分担しながらグループディスカッション。事前教育の効果もあり,例年よりスムーズに進行ました。

グループ・プレゼンでは,バリ農業の現状と課題から,農業の持続可能性について,3グループそれぞれが異なる視点で発表しました。

実施報告ポスター

こちら

グループプレゼン

ボゴール農科大学コース:AグループBグループCグループDグループ
ウダヤナ大学コース:AグループBグループCグループ

優秀レポート

ボゴール農科大学コース:F. N.
ウダヤナ大学コース:A. H.

学生の感想

初めての海外渡航であり、英語でのコミュニケーションや学習に自信のなかった私は、不安でいっぱいだった。農業の持続可能性について議論するどころか、日常会話もままならず、インドネシアの雰囲気に気圧され終わってしまうのではないか。そんな不安は、インドネシアの学生や教員の方々と話しているうちに払しょくされた。彼らは簡単な会話もたどたどしい私に、友好的に接してくれる。日本人は初対面の人間に対し臆病で、積極的にかかわろうとしない姿勢があると思う。私もそんな人間だった。しかしインドネシアの人たちは、初対面だからこそ情熱的にコミュニケーションを求める。人と人とのつながりを大事にする温かな人柄に、ぎこちなさや緊張は一切感じなかった。(S. N.)

今回、経済発展が著しいインドネシアを訪れ、新興国の勢いとそれに日本がどう関わっていけるのかという疑問がわいた。海外学生と一緒にワークショップを行いディスカッションするという体験をして、今日日本国内だけで物事を考えているようではいけないと感じた。今後英語能力を上げて世界で活躍できる人材になりたいと思った。また、自分の研究をさらに発展させ人々の役に立てるようになりたいと感じた。(K. U.)

今回の渡航では、自分の研究を英語で紹介する場を提供していただいた。この経験では非常に多くのことを得られたと思う。英語で自分の研究の面白さ、最も伝えたい事を伝える練習や、そのために使うべき英語の習得といった、発表技術力の獲得がその一つである。日本語とは異なる言い回しや、それぞれ全く異なるバックグラウンドを抱える相手を配慮した発表方法の選択は時間をかけて行わなければいけないことを学んだ。また、自分の研究に対して、興味を持ってもらうことや、ディスカッションを行うことは私にとって、とてもうれしく、楽しい経験であった。インドネシアの学生は、日常的に話している研究室メンバーとは異なる意見を抱いていたり、突拍子もない質問を投げかけてきたりしたため、自分の研究に対しても、知識が未熟であることに、私は気がつけた。(F. N.)

インドネシア、バリ島におけるサステナビリティを考えることで、日本の農業のサステナビリティを考えるきっかけになったように思います。また、日本の農業に関しても知らない部分が多くあり、勉強しなければならないという意識が生まれました。食を作り出す意味での農業を考えると、作り方から消費者まで全てを考える必要があり、日本のような安全、安心、美味しさを重視する消費者意識が、インドネシアでは異なるように思いました。日本の有機栽培も、もちろんはっきりとした位置付け、方向性は決まってないように思いますが、日本のような位置づけで進めるべきか、そうでない方が良いのか、短い時間で限られた情報ではありましたが多くのことを考えることが出来たように思います。(A. H.)

サマーコースでインドネシアに赴き、現地の人々、文化、農業にふれることで、様々な貴重な経験、幅広い知識を得ることができた。インターネットやテレビのようなメディアを通してではなく実際にその場所に赴くことで、五感の全てからインドネシアの空気や環境を体感することは座学とは大きく異なり、全身で学んでいるというような感覚があった。(Y. H.)

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